コラムBLOG
歯周外科治療とは?~進行した歯周病でも歯を失わないために~
皆さん、こんにちは。
高槻駅北口から徒歩2分の歯医者「細田歯科」です。
日本人が歯を失う原因の第一位は歯周病で、むし歯が第二位となっています。
歯周病やむし歯を治療し、しっかり予防できると、歯を失うことなく健康なお口を維持できる可能性があります。
歯周病の治療では、まず「歯周基本治療」といわれる歯垢(プラーク)を取り除く治療や、お口の中の歯垢の量を減らすためのブラッシング指導などを行います。
歯垢(プラーク)とは細菌の塊です。
歯垢1mgあたり1億個以上もの細菌が生息しているといわれており、その中にはむし歯菌や歯周病菌が生息しています。
これらの歯周基本治療を行っても歯ぐきの状態が改善しないときは、「歯周外科治療」を行います。
今回は、歯周病が進行した状態の歯でも、歯を抜かずにすむ可能性が広がる「歯周外科治療」について説明します。
田口 尚吾 院長
2009年松本歯科大学 卒業大阪医科大学(現大阪医科薬科大学)附属病院歯科口腔外科研修医
2010年大阪医科大学附属病院麻酔科研修
2011年大阪医科大学附属病院歯科口腔外科レジデント
2013年大阪医科大学附属病院インプラント専門外来医員
2015年細田歯科勤務、副院長
2022年細田歯科院長
医院名:細田歯科
所在地: 〒569-1123
大阪府高槻市芥川町1-14-27ミドリビル3F
Contents
誰でもかかる可能性がある「歯周病」
歯周病とは、歯と歯ぐきの間のすき間にある「歯周ポケット」から入り込んだ歯周病菌が、歯ぐきに炎症を起こす感染症です。
やがて歯を支えている骨である歯槽骨を溶かして、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。
歯ぐきに炎症を引き起こした状態を「歯肉炎」、歯槽骨が溶けている状態を「歯周炎」といい、この両方を合わせて「歯周病」といいます。
初期の段階では自覚できる症状は少なく、気づかないうちに進行します。
歯周ポケットが4〜5mmで初期の歯周病と診断されますが、「令和4年歯科疾患実態調査」によると、4mm 以上の歯周ポケットを持つ人の割合は、全体では 47.9%となっています。
また、15歳〜24歳でも17.8%、25歳〜34歳でも32.7%となっており、年齢が若くてもかかる可能性がある病気であることがわかります。
(出典:厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査」p22-23表20歯周ポケット〈4mm以上〉を有する者の割合の年次推移、年齢階級別〈15歳以上〉) >
【歯周基本治療】歯周病の治療の流れ
「歯周基本治療」は、軽度から重度の歯周病に共通して行う治療です。
当院が行っている歯周基本治療の流れを説明します。
【STEP1】歯周ポケットの測定
まずは、どれくらい歯周病が進んでいるかを確認するために、歯周ポケットの測定を行います。
健康な歯ぐきの歯周ポケットは3mm以内、4〜5mmが初期の歯周病、6mm以上で重度の歯周病と判断します。
この歯周ポケットの検査をする際、出血がみられるケースがありますが、これは歯ぐきに炎症が起こっている証です。
同じように、歯磨きをしているときに歯ブラシに血がついている場合も、歯周病により歯ぐきが炎症が起こっている可能性があります。
【STEP2】歯垢・歯石を取り除く「スケーリング」
磨き残した歯垢は、石のようにかたい「歯石」に変化し、歯ブラシでは除去できなくなります。
これらの歯垢や歯石を、専用の器具を使って取り除くことが「スケーリング」です。
歯垢や歯石は歯周病の原因となるため、徹底的に除去してお口の清潔を保ちます。
【STEP3】ブラッシング指導
歯周病の治療では、適切な歯磨きの方法を身につけて、毎日のケアに取り入れることが大切です。
当院のブラッシング指導では、患者さまお一人お一人のお口に合わせたケア方法をアドバイスいたします。
【STEP4】メンテナンス
歯周基本治療で歯ぐきの改善がみられたら、クリーニングと検査を行うメンテナンスを継続していただきます。
改善がみられないときは、「歯周外科治療」にうつります。
【歯周外科治療】歯周病の外科処置治療
歯周外科治療は、「フラップ手術」と「歯周組織再生療法」の2つに分けられます。
歯ぐきを切開して歯垢を除去する「フラップ手術」
歯周基本治療で取り切れない汚れを、歯ぐきを切り開いて除去する外科的な歯周病の治療を「フラップ手術」といいます。
器具が届かない部分についた歯垢や歯石を、よく見える状態でしっかり取り除くことが可能です。
失われた歯周組織を再生させる「歯周再生治療」
当院で行っている「歯周再生治療」は、「リグロス」や「エムドゲイン」などの材料を使って、部分的に失われた骨を再生させる治療です。
歯周病で破壊された歯ぐきや歯槽骨の再生を促すことで、進行した重度の歯周病でも歯を抜くことなく治療できる可能性があります。
リグロス法
歯周基本治療が終わっても歯周ポケットが4mm以上、歯の根の骨が3mm以上欠けている場合に適応可能です。
細胞を増やす成長因子を主な成分としており、歯槽骨の内側の骨が足りない部分に塗布することで、歯周組織の細胞の再生を促す効果が期待できます。
また、リグロスは保険が適用できるので、患者さまが負担する費用を抑えることができます。
エムドゲイン法
歯周ポケットの深さが6mm以上、歯の根の骨が4mm以上欠けている場合に適応できる可能性があります。
治療ができるかどうかは、検査を行ってしっかり見極めます。
ブタがもつ歯胚組織から作られた「エムドゲインゲル(歯が生えてくるときに重要なたんぱく質の一種)」を、骨が欠けている部分に塗布して再生を促します。
エムドゲイン法は、保険が適用されず、自費診療となります。
重度の歯周病にお悩みの方は細田歯科までご相談ください
JR高槻駅北口から徒歩2分、高槻市芥川町の「細田歯科」では、歯周基本治療では改善が難しい重度の歯周病に対応した歯周病治療を行っています。
「歯がグラグラする」「歯ぐきが下がっている」などの症状をお持ちの方も、歯を失わずに治療できる可能性があります。
歯周病は段階に応じた治療を行うことが大切です。
当院では、患者さまのお口をしっかり診察し、症状に合わせた治療をご提案しますので、重度の歯周病にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
初診の方は24時間受付可能なWEB予約をご利用いただけます。
ご都合のよい時間帯にご来院ください。
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